××世代のカラクリ

どうにもレッテルやイメージという種類のものが苦手。苦手というか、毛嫌いしてる部分がある。「あそこの学生は〜」「この年代は〜」「あの国の人間は〜」みたいな。判断基準の一部としてならともかく、大前提に置いて使うものじゃない。特にそれが何かの統計もなく、ただの思い込みや、極端な例のイメージだけで出来上がっていたら目も当てられない。出発点を間違えてしまう。

その中でも代表的なものが××世代。周期的に確立されるもののようで、団塊の世代やバブル世代、しらけ世代といったようにたくさんある。らしい。かくいう自分もゆとり世代だなんて呼ばれる。らしい。ゆとり教育の弊害だなんだと聞くけど、まず弊害自体がなんなのかも人によって異動があって明確じゃない。

定義としては、特徴的な時代を青年期に過ごした人間がそう呼ばれる。たとえばバブル世代なら、経済バブル期に青年期を過ごせばバブル世代だというように。

ゆとり世代の)特徴
堅実で安定志向で地味だという傾向にあり、内閣府の調査によると専業主婦願望が強いという結果が出ている。
また、第一生命経済研究所によると、ゆとり世代は親のバブル世代の消費の失敗を見て育ち、エコやリサイクルや環境問題を教育で学んだため、流行に左右されず、無駄がなく自分にここちいいもの、プライドよりも実質性のあるものを選ぶという消費スタイルをもっていると書かれている。(Wikipediaより引用

これを見てふと、物言いが星座占いや血液診断に似ていると思った。全体的な傾向、あるいは人間なら誰しもが多かれ少なかれもっているような特徴をかいつまんだ感じ。当てはまる人もいれば、当てはまらない人もいる。そりゃそうだろというツッコミが入るかもしれないけど、だからたぶんこれは正しい。そしてこれは特定の世代に限定されるものではない。どの世代にもこんな人間がいる一方で、特定の世代がこんな人間だらけというわけでもない。

××世代と呼ばれたモノの特徴が、その時代に生きる人間のだいたい全般に当てはまる気がするのは、気のせいなのだろうか。その時代の生き方の傾向といったほうがいいかもしれない。考えてみれば当たり前の話で、異常な好景気は異常な消費を促進させるし、ネットの普及は検索ありきの効率的な消費が促進される。

たぶん、時代を反映した生き方が、まだ何のレッテルも貼られていないノーブランドの若者に特徴として割り当てられるだけなんだと思う。そこに、たまたまあった象徴的な出来事を名前として冠す。そこに流行りもの好きのメディアが食いつく。そしてテレビがその内の極端な例を、さも代表例かのように扱う。みんながそれを認知する。そんな仕組みだから××世代は必ず当てはまるように思えるんじゃないかな。