ニワカ原発博士はもういらない

3月11日の午後に起こった東北関東大震災で、いつもどおりの生活が一変した。15日の午後くらいから、ようやくテレビでバラエティ番組も流されるようになってきたけれど、計画停電はまだ続いてる。電車も通常運行じゃないし、原発が爆発するかもしれない恐怖はまだ続いてる。
ところで今回の地震twitterがものすごい活躍したらしい。ただ同時に、無責任な【拡散希望】とか、どこそこで食料がたりません!とか、(有名アカウント)さんだれだれの安否をお願いしますとか、しょうもないRTが大量に流れもした。なんというか情報氾濫に近くて、ソース元が明確で正確な情報が埋もれちゃってる印象が強かった。
驚いたのが、時間を追えば追うごとに、有用で正確なツイートが増えるようになっていったこと。自浄作用という言葉が適切かわからないけど、少なくとも自分個人のタイムライン上ではそうだった。twitterアカウントのアクティブ数を考えると、自然な流れでこうなったのは本当にすごいことだと思う。

だけどこれだけ情報インフラがしっかりしてて、メディア関係の機材が被災地で稼動できてるなら、現地でtwitterなり何なりを活用してもいいんじゃないかと思う。特に被害の大きかった地域名でアカウントを作って、関連アカウントでリストを設ければ、正確なことこの上ないし、情報交換だって最高に円滑になる。活用できるものは全部活用するべきだと思う。
あとそれは東電にも言える。あれだけ渦中にいる組織の情報発信できる媒介がテレビだけってのは無責任にも程がある。頑張ってるのはわかるし本当にありがたいけど、それは当たり前だし、頑張ってれば方法を問わず評価されるってわけでもない。

情報がどうのこうのでもう一つ思ったのが、同じ情報でも伝えて欲しいのはそれじゃないかな・・・ってのが多かった。特にそれを強く思ったのが原発に関してだった。福島の原子力発電所が報道されるときは、たいてい「○○シーベルトが放射されています」あるいは、「○○の部位が爆発しました」という形で報道される。ひどいのになると「内圧が○○パスカルまで低下しました」なんてものになる。
実際の話、こんな生の情報を聞かされてもチンプンカンプン。こんなときですら加工されてない情報を欲しがってる一般人なんて、博識ぶりたい一部の構ってちゃんくらいしかいない。本当に欲しいのは、専門家が判断した「危ないのか、危なくないのか」それだけ。簡潔でわかりやすいものでないと余計に混乱するだけなんだ。
もちろん生の情報だけじゃ意味がないことをメディアもわかってるので、一緒に比較情報をパネルにしたり、原発の構造を図解で説明したりしてた。でも惜しい。ちがう。そこじゃないんだと。大学の講義レベルの解説なんかしても、ニワカ知識をもった一般人が増えるだけ。(自分自身を含めて)そんな人間の判断なんて当てにならない。専門家が専門的な知識と考えでもって辿り着いた結論が一番欲しい情報であるのは間違いない。

シーベルトに関しては、分単位なのか時単位なのかすら併記してないところもあって、これはひどいと思った。あと枝野官房長官の発表の一つ、「健康に被害がある可能性があると断言できるレベル」って表現。つまり「不健康かもしれないって断言できるよ」ってことで、発表の性格上、仕方ないとは思うけど、だったら発表する必要も薄いんじゃないのか・・・。

なんにしろ今回のことで、情報は正確性とその伝える形が大事だと思った。